【いちご栽培】甘い果実を自宅で!プランター栽培完全ガイド
概要
いちご(苺)は、バラ科オランダイチゴ属の多年草で、甘くて美味しい果実を楽しめる人気の植物です。プランター栽培に適しており、家庭でも手軽に新鮮ないちごを収穫できます。
背景:現在栽培されているいちごは、北アメリカ東部原産のバージニアイチゴと、南アメリカのチリイチゴの交配により生まれました。18世紀にヨーロッパで品種改良が進み、日本には江戸時代末期に伝来しました。
市販のいちごよりも完熟した甘いいちごを楽しめ、収穫の喜びも味わえます。また、ランナーで簡単に増やすことができ、長期間栽培を楽しめる魅力的な植物です。
1. いちご栽培の基本知識
生育適温は15-25℃で、冷涼な気候を好む
日当たりを好むが、真夏は半日陰が適している
多年草で、適切に管理すれば数年間収穫可能
花が咲いてから約1ヶ月で果実が熟す
ランナー(走出枝)で簡単に増やせる
2. いちごの品種と選び方
四季なりいちご:年に数回収穫可能、プランター向き
一季なりいちご:春に一度だけ大量収穫
人気品種:宝交早生、女峰、とちおとめ、あまおうなど
プランター向け品種:らくなりいちご、デコポン、ワイルドストロベリー
病気に強い品種を選ぶと管理が楽
3. プランターと土の準備
幅60cm以上、深さ20cm以上のプランターが理想
いちご専用プランターやストロベリーポットも有効
排水穴がしっかりとあるものを選ぶ
いちご専用培養土または野菜用培養土を使用
赤玉土小粒:腐葉土:バーミキュライト = 6:3:1の配合
4. 苗の植え付け方法
植え付け時期:10月-11月(秋植え)または3月-4月(春植え)
葉色が濃く、病気のない健全な苗を選ぶ
クラウン(株元)を土に埋めすぎない
株間は20-25cm程度空けて植え付ける
植え付け後はたっぷりと水やりを行う
5. 水やりと湿度管理
土の表面が乾いたら水やりを行う
朝の涼しい時間帯に根元に水を与える
葉や果実に水がかからないよう注意
実がつき始めたら水やりを控えめにして甘みを向上
マルチングで土の乾燥と泥はねを防ぐ
6. 肥料の与え方
植え付け時に元肥として緩効性肥料を施用
生育期間中は月1回程度液体肥料を追肥
窒素過多は病気の原因となるため注意
開花期からはリン酸・カリを重視した肥料
収穫期は肥料を控えめにする
7. 花と実の管理
人工授粉で確実な結実を促す
1つの花房に6-8個程度に摘果
変形果や小さな実は早めに摘除
果実が土に触れないよう敷きわらやマルチを使用
鳥害対策としてネットを張る
8. ランナー(走出枝)の処理
収穫期間中はランナーを除去して株を充実
増殖目的の場合は健全なランナーを伸ばす
親株から30cm程度離れた子株を選ぶ
子株に根が出てから親株から切り離す
新しい苗として翌年の栽培に使用
9. 病害虫対策
うどんこ病:風通しを良くし、密植を避ける
灰色かび病:過湿を避け、病気の果実は早期除去
炭疽病:雨除けと清潔な環境で予防
アブラムシ:新芽につきやすい、早期発見と除去
ハダニ:乾燥期に発生、葉裏を定期的にチェック
10. 収穫と保存方法
実全体が赤く色づいた頃が収穫適期
ヘタの近くまで完全に赤くなったものを選ぶ
朝の涼しい時間帯に収穫すると日持ちが良い
ヘタを残して優しく摘み取る
収穫後は冷蔵庫で保存し、早めに消費
11. 他の植物との比較
| 特徴 | いちご | ミニトマト | 枝豆 |
|---|---|---|---|
| 収穫期間 | 4-6月(多年草) | 7-10月(4ヶ月) | 8-9月(2ヶ月) |
| 収穫量 | 中(1株10-20個) | 多(1株50-100個) | 中(1株30-50莢) |
| プランター適性 | 高(20L以上) | 高(20L以上) | 中(15L以上) |
| 栽培期間 | 多年草 | 3-4ヶ月 | 3ヶ月 |
| 栽培難易度 | 普通 | 易しい | 普通 |
| 初心者向け | ○ | ◎ | ○ |
12. 季節別管理カレンダー
| 季節 | 水やり | 日光 | 施肥 | 主な作業 |
|---|---|---|---|---|
| 春 (3-5月) | 毎日 | 十分に | 週1回 | 種まき・植え付け |
| 夏 (6-8月) | 朝夕2回 | 十分に | 週1回 | 収穫・追肥・支柱 |
| 秋 (9-11月) | 毎日 | 十分に | 週1回 | 秋植え・収穫 |
| 冬 (12-2月) | 週2-3回 | 可能な限り | 月1回 | 防寒・収穫 |
こんな方におすすめ
- 家庭菜園初心者の方 : 育てやすく、収穫の喜びを味わえます。初めての野菜栽培にもおすすめです。
- 新鮮な野菜を食べたい方 : 収穫したてを食卓に並べられ、スーパーでは味わえない新鮮さを楽しめます。
- ベランダ菜園を始めたい方 : プランターで十分に育てられ、限られたスペースでも栽培可能です。
- 子どもと一緒に栽培を楽しみたい方 : 成長が早く、観察が楽しいため、食育にも最適です。
いちご栽培のよくある質問
いちごの栽培は初心者でも簡単にできますか?
はい、いちごは比較的育てやすく、初心者にもおすすめです。基本的な水やりと肥料やり、病害虫対策ができれば、美味しいいちごを収穫できます。四季なり品種から始めると良いでしょう。
プランターではどのくらいのいちごが育てられますか?
幅60cmのプランターであれば3-4株程度が目安です。株間を適切に保つことで、健全な成長と良質な果実の収穫が期待できます。
いちごはいつ頃から収穫できますか?
秋植えの場合は翌年の4月-6月頃、春植えの場合は同年の6月頃から収穫できます。四季なり品種では、条件が良ければ秋にも収穫可能です。
いちごが甘くならない原因は何ですか?
主な原因は日照不足、水分過多、肥料過多です。完熟前の収穫や、窒素肥料の与えすぎも甘みを低下させます。適切な水やりと日当たりの確保が重要です。
ランナーはどのように処理すればよいですか?
収穫期間中は株を充実させるためランナーを除去します。増殖したい場合は、健全なランナーを選んで子株を育て、根が十分に出てから親株から切り離してください。